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【令和8年度改定】口腔機能実地指導料が新設へ|歯科衛生士に求められる役割とは

【令和8年度改定】口腔機能実地指導料が新設へ|歯科衛生士に求められる役割とは

2026年03月05日 14:30

2026年度(令和8年度)の診療報酬改定に向けて、私たち歯科衛生士の働き方に関わる重要な動きが示されています。

今回の改定案で大きな注目を集めているのが、「口腔機能実地指導料」の新設です。

これまで、口腔機能に関する指導は「口腔機能指導加算」として位置づけられていましたが、改定案では独立した評価項目として新設される方向性が示されました。


この変更は、単なる点数の見直しにとどまりません。「口腔機能の管理は、歯科衛生士の専門的な技術である」という位置づけが、制度上より明確になっていく可能性を示す動きといえるでしょう。


① なぜ今、口腔機能指導が重視されるのか

診療報酬改定には一貫した方向性があります。それは、「国が推進したい医療・ケアに、より明確な評価を与える」という点です。


今回、口腔機能指導が独立評価として新設される背景には、次のような流れがあると考えられます。

小児:口腔機能発達不全症への対応(正しく食べる・話す力を育てる)

高齢者:オーラルフレイル対策(食べる楽しみを守り、全身の衰えを防ぐ)

予防の進化:「むし歯・歯周病予防」から一歩進んだ「機能の管理」へ

つまり、ライフステージを通じて口腔機能を守る取り組みが、これまで以上に重視されていると考えられます。


➁ 改定案の注目ポイント

[1] 「加算」から「独立した主役」へ

これまでは「歯科衛生実地指導料」に対する12点の加算でしたが、改定案では

口腔機能実地指導料:46点(新設)

月1回算定

とされ、評価の位置づけが大きく変わる見込みです。


これは、歯科衛生士が行う口腔機能指導の価値が、制度上より明確に評価される方向性を示しています。


[2]対象は「こども」から「高齢者」まで

算定対象として、

口腔機能発達不全(小児)

口腔機能低下(高齢者)

の双方が明記されています。今後は歯科衛生士にとって、全世代の「食べる・話す」を支える視点がより重要になっていくでしょう。


[3] 「研修を受けた歯科衛生士」が算定の条件に

今回、特に押さえておきたいのがこの点です。

施設基準として、「適切な研修を受けた歯科衛生士の配置」と記されています。

これは今後、口腔機能管理に関する専門性を持つ歯科衛生士の価値が高まる可能性を示唆しています。


③ 歯科衛生士の役割はどう変わる?

改定案から見えてくるのは、歯科衛生士に期待される役割の広がりです。特に、次のようなスキルの重要性が今後さらに高まる可能性があります。


◆口腔機能を「評価する力」

・口腔機能低下症の理解

・発達不全への視点

・機能評価項目の把握

・スクリーニングの精度

単に口腔内をアセスメントするだけでなく、

機能面から口腔を捉える視点が、これまで以上に重要になると考えられます。


◆患者さま・ご家族さまへの説明力

算定要件には、指導内容を文書で提供することが含まれています。今後は、

・なぜこのトレーニングが必要か

・何を目標にするのか

・ご家庭でどう取り組むか

を、患者さまやご家族さまに分かりやすく伝える力が、より求められていくでしょう。


◆チーム医療の中で動く力

本指導料は、主治の歯科医師の指示のもとで実施する形です。

そのため、

・指示内容の正確な理解

・チーム内での情報共有

・多職種との連携

も、実務上の重要なポイントになっていくと考えられます。


④ 歯科衛生士が今からできる準備

制度の詳細は今後の正式通知を待つ必要がありますが、個人として今から取り組めることもあります。


[1]口腔機能低下症の評価項目を整理する

まずは基本の再確認から。

・舌圧

・咀嚼能力

・嚥下機能

・口唇閉鎖力

・咬合力

などの評価項目を体系的に整理しておくことが、今後の実務に直結します。


[2] 指導内容を「言語化」する練習

これからの実地指導では、「実施したことを、患者さま・ご家族さまに伝わる形で説明できる力」が非常に重要になります。院内指導や患者説明の際に、

・目的

・方法

・期待される変化

を意識して言語化する習慣をつけておきましょう。


[3]最新情報と研修動向にアンテナを立てる

今回の改定案でも、研修受講は重要なキーワードです。今後は、

・どの研修が対象になるのか

・実務では何が求められるのか

・現場での運用はどう変わるのか

といった情報を早めにキャッチしておくことが、スキルアップ・キャリア形成につながります。


⑤ まとめ|これからの歯科衛生士に求められる視点

今回の改定案は、歯科衛生士による口腔機能管理の重要性が、制度上もより明確に評価されていく可能性を示しています。これからの時代は、「口腔衛生管理ができる」だけでなく、

「口腔機能を評価し、指導できる歯科衛生士」の価値が、ますます高まっていくと考えられます。


※この内容はブログ投稿時点(2026年3月9日)での情報です。


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